第11章 ネネの正体。
ようやくアジトの入り口に着いても、ハルはまだ目を閉じたままだった。
『・・・ちょっと。いつまで僕に乗ってるの?』
「お前、何言ってんのか分かんねえんだよ」
『チッ』
そして、スイレンとサソリの会話は成り立たない。
『主様!』
「ハル!」
居間まで行くと、イタチとネネが寄ってきた。
イタチはスイレンの背に乗っているハルを抱き上げると、怪我がないことを確認し、安堵の溜め息をついた。
サソリには小南が声を掛けていた。
「任務お疲れ様。大丈夫だった?って、何でハルと・・・?」
「ああ。―――・・・ソイツ、大蛇丸とやりあってたぞ」
「・・・大蛇丸、だと?」
サソリが放った言葉に全員がピシリ、と固まる。
ネネだけがスイレンにひたすら『大丈夫でしたか!?』と聞いていた。
「ああ。大蛇丸とソイツ、何か揉めてたぞ?まあ、ソイツとやってたのはカブトだったけどな」
「カブト・・・」
「何で揉めてたんだ?」
「知るかよ。どうせ、また変なこと考えてんだろ」
サソリは吐き捨てるように言った。
それもそのはず、サソリは元相棒で勝手に暁を抜けた大蛇丸を殺そうとしているからだった。
何も知らないデイダラだけが、頭に「?」を浮かべていた。
「オロチマルって誰だ、うん・・・?」
「・・・気持ち悪ィ、オカマ野郎だよ。お前も会ったら殺せよ」
「え、うん・・・?」