第11章 ネネの正体。
「・・・お前、勝手に暁抜けやがって・・・。しかも、カブト・・・お前までよ。まあいい。お陰で楽しみが出来たんだ、ある意味感謝やってもいいほどだぜ」
カブトが何か関係あるのかは知らないが、サソリは明らかにこの状況を楽しんでいるようだった。
今にも舌なめずりをしそうなくらいで、ニヤニヤしている。
「・・・アイツからの命令だ。――お前を殺す」
大蛇丸が悔しそうな顔をしているのが分かった。
カブトはあまり状況を掴めていないようで、しかし、その瞬間、サソリがカブトに傀儡をぶつけた。
「!?―――グハッ」
そのまま地面に叩きつけられたカブトは、びっくりしたような顔をしたあと、痛みに顔を歪ませて――――。
ボフンッ、という音がしてカブトは煙になった。
「―――チッ。影分身か・・・」
サソリは眉を潜めたが、その後すぐに大蛇丸に目線を変えるとチャクラ糸を操り傀儡を自分のところのに戻した。
「っ」
大蛇丸はスイレンにやられ、片腕を失っているので印を結ぶことは出来ない。
これは圧倒的な不利になる。
そのことは、大蛇丸もサソリも承知のことで。
「さあ、どうする?大蛇丸」
大蛇丸の片腕からは赤い液体がポタ、ポタ、と不規則なリズムで、地面に落ちている。
と、大蛇丸が手を動かした、と思うと――――。
ボフン!!
辺りが白い煙に包まれた。
「チッ、逃げたか」
サソリは舌打ちをし。
「煙玉・・・?う、うわっ、何にも見えない!」
『おお、あ、ハル掴まって!』
「えっ、え、どこっ、キャ――」
私は初めての体験に慌てて、スイレンに連れられ。
大蛇丸はその間にもう逃げていた。