第11章 ネネの正体。
ふとカブトの顔を見ると、随分と余裕そうだった。
カチンとくる。
「うざっ・・・」
そして、印を結ぶ。
「火遁、豪火球の術」
ブワッ、と辺りに炎が燃え上がる。
息を全部吐きおえた時には、もうそこらにあった木は燃えていた。
「・・・」
カブトの姿は、ない。
「余所見は禁物だ、ね!!」
いきなり上から声が降ってきたかと思うと、カブトが上から落ちてきていた。
何事かと避ける。
地面に降りると、カブトの立っているところだけ大きくへこんでいる。
「・・・チッ」
カブトは相変わらず、嘘くさい笑みを浮かべている。
私は地面を蹴ると、一気に距離を詰めた。
「こ・・・っの、」
「その歳でこれだけ出来るなんて、君、凄いよ。でも惜しいね。君はここで終わりだ」
ニヤリ、とカブトが笑った瞬間。
丁度、スイレンの声が聞こえた。
『ハル~、ねえねえ、あのさ、アイツの片腕切り落としちゃったんたけど、良かった?』
「はっ?」
『もー、蛇気持ち悪い。僕は蛇嫌いだな』
そして、カブトの後ろから大蛇丸が片腕を押さえながら歩いてきた。
「油断した・・・」
大蛇丸が忌々しく呟いたところで、予想もしなかった人の声が聞こえた。
「おいおい、楽しそうなことしてんじゃん。俺も混ぜろ」
「えっ・・・?」
大蛇丸だけでなく、私もその声の持ち主を見上げすっとんきょうな声をあげる。
「あ?おもしろい顔してんじゃねぇか」
くつくつと笑う彼は、ひどく挑戦的な態度だった。
赤髪の彼、自己中心的な態度を持つ、
―――サソリ。