第11章 ネネの正体。

「ネネ、イタチ兄さんのところに行って。いい子だから、行けるよね？」



コクリ、と小さく頷いたネネはそのまま一直線に飛んでいった。

一連の動作を見守っていたスイレンが呟く。



『・・・車輪眼を使ったの？』

「・・・うん・・・イタチ兄さんのところに行かせるよ」

『・・・そうだね。そっちのほうが安全かも、今のネネにとっては』

「それにしても、どうしたの？」






私の問いにスイレンが答えようとしたが、それは第三者によって遮られた。







「あら、こんなところに子供？まあいいわ。あなたに聞きたいことがあるんだけど、いいかしら」






ハスキーな声だった。

声がした方を向けば、その声の持ち主の横にはメガネの男がいた。







「・・・いいわよね？」






ひどく上から目線で言うソイツは、あと何年か後にはサスケを木ノ葉から連れ出す人で。

男のくせに何でそんな口調なんだ、とか、いつかコイツに接触しよう、とか、色々思ってたりしたけど。





まさか、こんなとこで会うとは。






『ハル、コイツだよ。ネネを・・・』






あんな風にしたヤツ。



スイレンは威嚇している様子を見せており、私にそう言ってきた。







「・・・おろ・・ち・・まる・・・」





―――大蛇丸。

そこには、大蛇丸がいた。

横にはカブト。

二人ともじっと私たちを見ている。










「・・・ねえ、フクロウを探しているんだけど、知らない？見てないかしら？」

「・・・知らない」








そして悟る。





（コイツ、まさか、）




それと同時にスイレンが言った言葉で確信に変わった。







『コイツ、ネネを実験台にしたんだ』

「私の実験体なんだけどね。知らないかしら？」