第2章 子供時代と一つの事件。
この後、家族みんなが起きてきたので、写真を撮った。
それを欲しいと言ったら、少しびっくりされたもののニッコリ笑って心底嬉しそうに頷かれた。
「ハルは欲しいものとかあまり言わないから、母さんちょっとびっくりしたのよ?でも、嬉しいわ!家族で撮った写真を欲しいって言ってくれて!」
「・・・うん」
「本当はずっと一緒にいたいのだけど・・・今日は母さんも父さんも行かなきゃいけないところがあるから・・・ごめんね・・・」
「うん。―――大丈夫、ハルはいい子にできるから」
(慣れている。誕生日に親がいないことなんて。)
すると、母は「うん、そう言うと思って」と言葉を続けた。
「今日はイタチに任せることにしたから。イタチに色んなところ連れて行ってもらいなさい。あ、欲しいものあったらちゃんと言うのよ?」
「え・・・でも、」
(でも、迷惑になる)
そんな風に考えている私のこともつゆ知らず、母はイタチに声をかけた。
「イタチー?私たち、もう行かなきゃいけないから。ハルのこと頼んだわよ」
「分かってるよ。いってらっしゃい、母さん」
「・・・さすがはイタチ!じゃあ、いってきます」
イタチに抱っこされながら母を見送り、母も私たちに手を振って出て行った。
「・・・・・・・イタチ兄さん」
「ん?どうした?もう行くか?」
「いや、あの・・・」
「?サスケのことか?サスケなら、今日はアカデミーが何とかって言ってたぞ?」
「いや、そうじゃなくて・・・」