第9章 クロとサスケと。
「・・・い、」
身体がユサユサと揺さぶられる。
「・・・ら、お・・・ろ」
揺さぶりが続くと同時にだんだん意識も浮上していく。
「ん・・・?」
「やっと起きたか。俺は今からアカデミーに行ってくる。飯は作っといた。・・・一応伝えといたほうがいいだろ」
眠い目を擦って声の主を見やる。
サスケは行く直前のようで、もうとっくに支度をしていた。
「いってらっしゃい・・・・」
「・・・・おう」
サスケにとって「いってらっしゃい」などと言われるのは久しぶりで少し違和感を覚える。
が、それを口にするわけでもなく、ただ当たり障りのない言葉を口にした。
『ねえ、ハルってばー・・・そろそろ起きよ?』
「・・・・・・・・・」
『・・・ハルー・・・僕暇なんだけど』
「・・・・・・・・・」
『寝起き悪・・・』
寝起きの悪いハルにとって、朝は大嫌いだ。
低血圧といいう訳でもないが、ただ苦手なだけ。
「うるさいよ、スイレン・・・・。あー・・・・今何時・・・・?」
『今ね、10時』
「はあ・・・?まだまだ寝れるわ・・・」
『もう、ハルってばー・・・』
十分後。
「・・・もー・・・マジで眠いのに・・・」
『ハル、段差気を付けてね』
「分かってるよ」