第9章 クロとサスケと。
サソリが攻撃を繰り出す前にネネが一気に距離を詰める。
そして、蹴りを入れる。
「・・・っ!」
『決まった!いいねぇ、超いいよ』
サソリの身体は後方に飛んでいき、壁に打ち付けられた。
とはいえ、サソリの身体は傀儡なので痛みはない。
「っ・・・」
『っと、お遊びはここまで。主様に怒られたくないからなぁ。―――あ、イケメン』
「は?」
ネネいわくイケメン―――もとい、イタチの姿を認めると、そちらの方に近づきニコ、と笑みを浮かべた。
「・・・・・」
『ハルからの伝言な。ちょっと2、3日帰らんらしいで。分かったか?』
その言葉は、イタチを動揺させるには充分すぎる言葉だった。
「おい、ハルに何を・・・!」
『何を勘違いしてんの?ウチはハルに頼まれたんやで?』
「は・・・?」
『ウチがハルに何かするわけないやろ?―――ま、とにかくウチは伝えたからな』
ハルに危害を加えていると勘違いされたのに腹を立てたのか、ネネは眉を寄せながらいい放った。
『じゃあ』
ネネは最後にそう言うと、手をヒラヒラさせて一瞬の間にどこかへ消えてしまった。
その場に残された暁メンバーは、呆気にとられており、しばらくその場から動けなかった。