第9章 クロとサスケと。
ハルが出ていってから、約二時間後。
『こんにちは。初めまして、かな?』
「・・・どうやってここに入った?」
暁のアジトには招かれざる客が訪れていた。
『嫌やわぁ、そんな怖い顔せんといてもらえる?ウチな、黒髪のイケメンに用があって来たんやから』
―――そう、ネネである。
ただ1つ違うのは、ネネも人間の姿になっているということ。
『いやぁ、ホンマ主様から教えてもらっとって良かったわ。人間になれる機会なんてそうそう無いからなぁ』
「おい、お前人の話聞いてんのか」
今のネネの姿は、灰色の髪の女。
胸の辺りまである長さに、前髪はきちんと目の上で切り揃えられている。
「・・・・・・」
暁メンバーが警戒体制に入った。
それを見たネネが口を開く。
『もー、ウチの話聞いとった?あんね、』
「黙れ。ここに来るってことはそれなりの覚悟があんだろうな?」
『・・・・うわぁ、お前やわ。赤髪。ウチな、お前をどうしても1発殴らなアカンねん』
「は?」
『今、個人的にムカついた部分と主様から頼まれた分。全部赤髪にプレゼントしたる。ええな?』
赤髪―――もとい、サソリを指差して馬鹿にした口調で言った。
「ってめぇ!!」
『ほら、まだウチが喋ってる途中やん。これだから人間は・・・』
気が短いサソリは、予想通り一番に行動を起こした。
「オラァ!!」
『もー、話聞けって言ってるのが分からないかなあ』