第9章 クロとサスケと。
―――俺は最近、夢を見る。
“サスケ兄さん”
幼い頃、当たり前のように自分の後ろを着いてきた、今は亡き妹。
優しくて、どこか大人びていて。
最後に、アイツの手を握ったのはいつだっただろう。
“サスケ兄さん、どうしてハルを助けてくれなかったの・・・?”
夢の中の妹は、俺に向けてこう問いかける。
“どうして?”
ごめんな、ごめんな、ハル。
俺の、たった一人の大事な妹。
“――それは、お前が弱いからだ。無力な弟よ”
そうだ。全部、俺が弱かったから。
アンタには一度だって、相手にされたことはなかった。
だから、せめてもの償いだ。
ハル、お前とうちは一族の仇は必ず俺がとる。
誓うよ。
お前が最近夢に出てくるのは、俺への戒めだろう?
忘れるな。忘れるな。
―――――俺は、復讐者だ。
うちはイタチ、お前を殺す。
今、俺は、その為だけに生きている。