第9章 クロとサスケと。
「おっじゃまっしまーす」
『おじゃましまーす』
「ハァ・・・もう好きにしろ」
無事にサスケの家についた私たちは、ゲッソリとしているサスケを余所にドアを開けて入った。
「んー、久しぶりだなぁ」
「ほら、適当に座ってろ。仕方ねぇから茶でも出してやる。―――おい、白いの。お前もいるか?」
『白いのって言うな!』
スイレンがそう言って、人間の姿になる。
「あ、スイレンもいるって」
「おう」
サスケの後ろ姿は、小さい頃のままで、面影をしっかりと残していた。
「ほらよ」
「ありがと。ほら、スイレンも」
『・・・あ、あり・・・が、と』
「・・・何でお前そんなに嫌そうに言うんだよ」
「ま、まあまあ。ちゃんとお礼言えたんだから、偉いね」
少々表情に問題があったが、言えたので良しとしよう。
そこでふと気づく。
頬杖をつくサスケの目の下。
(クマ・・・?)
「ねえ、ちゃんと寝てる?」
「は?急に何だよ・・・。つーかお前に関係ないだろ」
「ねぇ、眠い。眠くなってきた」
「は?」
「よし、寝よう」
半ば強制的にサスケの手を掴んで寝室まで行き、ベッドに引きずり込む。
「おやすみ」
「はあ!?ちょっ、お前、」
「・・・」
「・・・チッ」
サスケはこれ以上足掻いても無理だと悟り、目を閉じた。