第8章 兄の心配と妹の意図。
しばらくすると、皆起きてきてそれぞれ席についた。
「はい、朝昼ご飯なんで今日は多めですよ」
「よっしゃ、オイラの好物がある!うん」
「眠い・・・」
その中にはハルも混じっており、昨夜と同じくイタチの膝に座っていた。
「ハル、サソリに何かされなかったか?」
「・・・おい」
「大丈夫だったよ。あのね、サソリが傀儡の使い方少し教えてくれたんだよ」
「へぇ・・・。サソリが、か」
「おい、お前ら。何でそんな俺を見てんだ」
ハルの言葉にメンバー全員の視線がサソリへと向かった。
―――実は、鬼鮫が料理を作っている間にサソリが遊女姿のハルに傀儡の使い方を少し教えていたのだった。
「・・・あ、イタチ兄さん、あれ」
イタチの心配など露知らずといった風にハルはじっとイタチの顔を見上げて料理を指差している。
「あ、ああ」
料理を取ってあげると、ハルは満足そうにそれを頬張りながら、時々隣にいるスイレンのことを撫でていた。