第2章 子供時代と一つの事件。
次の日。
目を覚ますと、横に寝ていたはずの母がいなくなっていた。
(・・・もう、起きたのかな)
寝るときは母と一緒に寝ることになっている。
一応、まだチビなので。
眠い目をこすり、居間へ行くと。
「―――ハル!お誕生日おめでとう!」
「・・・え、」
「今日で4歳じゃない!で、そんなハルにプレゼント!」
呆気にとられている私に母は「フフン♪」と上機嫌そうに言った。
「・・・・じゃ、脱いで!」
「・・・・えっと・・・・」
―――――数分後。
そこにはパジャマから、白のワンピースに着替えさせられた私がいた。
背中にはうちはの家紋がついている。
「・・・これ、どうしたの?」
「母さんが作ったの!どう?嬉しい?」
「・・・うん。すごく、嬉しい!」
前の世界では、私がこんなワンピースを着ることなんてなかった。
いつも病院のパジャマだったから、嬉しい。
「・・・嬉しい。・・・ありがと、母さん」