第8章 兄の心配と妹の意図。
『着いたよー?』
「・・・」
『起きてよ』
「・・・おー」
『ん、ほら』
「・・・・はい、起きたよ」
身体を起こし、スイレンの頭を撫でる。
すると、スイレンは嬉しそうに『へへっ』と笑った。
「・・・・これからどうする?」
「・・・あら?」
「あなた、イタチの・・・?」
「えっ?」
声のした方に顔を向けると、「やっぱり」という声がした。
「久しぶりね。・・・って言っても覚えてないかな」
「あ、」
「そういえば自己紹介がまだだったわね。改めて、」
紫色の髪。髪についている折り紙。
相変わらずのクールビューティー。
「小南よ。よろしくね、ハル」
(―――・・・小南、)