第8章 兄の心配と妹の意図。

「・・・？イタチはどうしたの？」








席を立ち、歩いていくイタチの背を見ながら小南がただ一人気付いた。









「ああ、今日は寝るらしいですよ。せっかく会えたんだから今日くらいは、ね」

「・・・そうね」



事情を察する二人にデイダラの声が掛かった。




「せっかく会えたってどういう意味なんだ？うん」

「・・・・えっと」






大体の推測はついているけど、合っているのか分からないので余計なことを言わまいと口を閉じる。







「―――ありゃイタチの妹か何かだろ。普通に考えたら分かるだろ」









先程の二人とは違い、アッサリと言い切ったのは、







「旦那ァ、さすがだな、うん！」








サソリだった。










「えっ、マジで？俺分からなかったんだけど」

「そりゃお前、飛段だからな」








デイダラと飛段以外は全員気付いていたようで、頷いている。








「――ふぅん。俺、やっぱアイツのことよく分かんねぇや」




そう言ったのはデイダラだった。





「まあ、そんなことはどうでもいい。とにかく、お前もイタチに殺されたくなかったらあのガキに手を出さないことだな」

「え、俺殺されるのか、うん」

「っていうか、うちは一族って全滅したんじゃなかったっけ？」

「・・・知るかよ」










結局、そのまま話は終わり、イタチとハルは昼過ぎになっても起きてこなかった。