第8章 兄の心配と妹の意図。
「え?そうなの?」
飛段が周りを見回すと、他のみんなは頷いている。
「なーんだ、教えてくれたら良かったのに」
「普通気づくだろ」
いつもの朝を迎えているメンバーだが、その空気も一瞬で変わる。
ハルが起きたことによって。
「・・・・ん・・・」
「ハル、起きたか?」
「・・・ここ・・・どこ・・・?」
ハルは寝惚けているのかイタチの胸に顔を擦り付けるようにしている。
「・・・寝惚けているのか・・・?」
「何かネコみたいだな、うん」
「ちっせぇな」
「・・・・・」
「可愛いわね」
暁メンバーの感想はそれぞれだったが、イタチがハルの頭を撫でてやるとハルはモゾモゾと身じろぎしだした。
「あー・・・あれ?イタチにい・・・」
「呂律が回ってないぞ」
「・・・イタチ兄さん」
今度は完全に起きたようで、目を擦りキョロキョロと周囲を確認する。
そして、自分が注目されたことに気づいたのか訳が分からないというような顔をしてイタチの顔を見た。
「おはよう、ハル。相変わらず寝起きが悪いな」
「おはよう・・・。これは一体どういう状態・・・?」
「お前が起きるのを待ってたんだよ」
「・・・」
イタチは状況がいまいち飲み込めていないハルの頭を撫でた。
それを見ていた暁メンバーは目が釘付けになる。
だってだって。
あの、イタチが・・・?
信じられないものを見ているような暁メンバーに声が掛かった。
「朝御飯、食べないんですか?運んで下さい」
「あっ・・・食べるぞ、うん!」
最初に我に返ったデイダラに続き、イタチ以外の暁メンバーは鬼鮫によってこきつかわれるはめになった。