第8章 兄の心配と妹の意図。
コイツが低血圧の一人のサソリ。
朝は寝起きが悪く、デイダラに八つ当たりばかりしている。
「・・・はよ」
「イタチ、この子何歳なんだっけ?」
短く返すサソリに小南はクスリと笑みを溢すと、追い討ちを掛けるように言った。
「8歳だな」
「はァ?8歳?」
「サソリ、あなたはこんな子供を傀儡にしようとしたのよね?」
「・・・・・」
「起きたら、ちゃんと謝りなさい」
「・・・・・」
「あら?返事が聞こえないけど」
「・・・ハイ」
女は強い。
そして怖い。
それを目の当たりにした鬼鮫とイタチだった。
丁度そこに、明るい声が響いた。
「おはよ、うん。・・・お、旦那ァ!何怒られてんだ?うん」
「おはよう、デイダラ。あのね、サソリが小さい女の子を殺そうとしたのよ。最悪よねぇ?」
「えっ、最悪だ!うん。旦那、いくらなんでも可哀想だ、うん。」
「うるせぇな、ガキ。それにあの時俺は酔ってたんだ」
チッ、と舌打ちするサソリだがそれも小南の冷たい目線によって黙る他余儀なくされる。
そこに不死身コンビが起きてきた。
「あ?何だ何だー?俺も混ぜろよォ」
「飛段、角都、おはよう」
「おー、おはよ、小南姉さん」
「おはよう」
「旦那が小南姉さんに怒られてるんだ、うん!」
「へぇ、何したんだ?」
「お前、昨日のこと覚えてないのか?」
飛段が酒癖が悪いのはもうみんな周知のことであって、昨日も角都が面倒を見るはめになっていた。
おまけに、何かやらかしても覚えていないもんだからタチが悪い。
「全員そろったみたいなんでご飯にしますよー」
「え?まだ、くそリーダーが、」
「・・・くそは余計だがな」
鬼鮫が言うと、飛段が答えかけたがそれも第3者の声によって遮られた。
「うぉおおっ!?いつからそこにいたんだ?」
「・・・・・少し前」
「鬼鮫は気付いてたのか?」
「気付いていなかったのはむしろあなただけだと思いますがねぇ」