第8章 兄の心配と妹の意図。
「ん・・・」
朝、目を覚ますとハルはまだ寝ていた。
昨日のことは夢じゃなかったんだと、安心させられる。
頭を撫でてやると、小さく身じろぎした。
それに思わず笑みを溢し、身体を 起こす。
ベッドから降り、身支度をする。
歯磨きをしていると、ハルが丁度起きてきた。
「・・・おはよう」
「おはよう、ハル。よく眠れたか?」
「うん。イタチ兄さんがいてくれたから、よく眠れたよ」
(やばい、うちの妹可愛い)
「・・・どうしたの、イタチ兄さん?口元なんて押さえて」
「い、いや、気にするな。それより、顔を洗ってこい。朝御飯食べに行くぞ」
「・・・うーん・・・・」
「寝起きが悪いのは変わってないな・・・」
未だ目が覚めていないようなハルを着替えさせる。
流石に顔を洗う訳にはいかないので顔を洗ってもらってびしょびしょのハルの顔を拭いてあげる。
「・・・んー・・・」
「こら、ハル。・・・全く、仕方ないな」
朝食はここに住んでいる全員で食べている。
低血圧なのが何人かいるので、いつも誰かが起こしているが。
完全に寝てしまっているハルを抱っこし、広間に向かった。