第7章 帰ってきました。
「わっ」
「え」
『・・・えっ!?』
グイ、と手首を掴まれて動けなかった
「・・・座れ」
『あのーお兄さん・・・酔ってます?』
「ス、スイレンっ・・・」
『はうっ・・・!!』
パニック状態のハルにとって今や頼れるのはスイレンだけ。
そのスイレンに助けを求めるも、当のスイレンはハルの涙目と自身を呼ぶ声にやられていた。
只でさえ、スイレンはハルに甘い。
「酔ってない。―――・・・お前、」
イタチが言いかけたその時、凛とした声が聞こえた。
「その辺にしときなさい、イタチ。その子が可哀想じゃない」
「・・・小南」
「彼女が困っているわ。全く、飛段も止めなさいよ」
「だってよー」
「・・・すまない」
イタチはパッと手を離すと、謝った。
『な、なら、そこの赤い髪のお兄さんに・・・』
「・・・あ、うん」
赤い髪。
赤を探して辺りをキョロキョロすると。
(・・・・サソリじゃん)
怖い。顔が怖い。
確かに顔はカッコいいが目付きが悪い。
「失礼します・・・」
若干ビクビクしながら赤髪の男―――サソリの傍に座る。
「はっ、お前、随分と若いじゃねぇか。何歳だ?」
「えっと・・・何歳に見えますか?」
「ハハ、俺に当てさせるってか?イイ度胸じゃねぇか」
「・・・すみません」
「冗談だ、冗談。んな怖がんなよ。で、15くらいか?」
「違いますかねぇ。やっぱり秘密です」
「面白いなお前。気に入った」
酒が入っているせいかとても機嫌が良さそうなサソリ。
(「気に入った」とか言われても逆に怖い)
すると、話はサソリ自慢の傀儡の話になっていった。