第7章 帰ってきました。
『キミは随分とハ・・・クロに優しいんだねぇ。僕の扱いは酷いくせに』
「気のせいだろ。っていうか、別に優しくなんかしてねぇけど」
『ん?なら、無意識なのかな?』
スイレンはネコの姿でソファーに寝そべる。
『キミは誰でも泊めるような人間じゃないだろうし、まあ、それはさっきも自分で言ってたね。何で?気になるなー』
「・・・俺に何を言わせたいんだ」
『んー?何だろうね?』
「・・・」
尻尾をユラユラさせながら、サスケをじっと見つめる。
「―――妹に、」
『ん?』
「・・・妹に似てるんだ。ただ、それだけ」
黒い目を伏せてポツリと呟く。
『―――へぇ。キミにそのくらい言わせるなんて、よっぽど可愛がってたんだねぇ』
「・・・まぁな。妹は、俺の全てだった。」
“サスケ兄さん”
「でも・・・」
力なく垂れている手足。
投げられた身体。
『・・・ふぅん。なるほどね。で、その妹さんは今どこにいるの?』
「殺されたんだよ。アイツにな」
『・・・殺された・・・』
「だから俺は、妹と一族の仇を取るために強くならなきゃいけない」
『・・・それが、この妹さんねぇ・・・』
いつの間にかスイレンが写真を手に持っており、眺めていた。
「なっ、テメェ勝手に・・・!」
『ホントにそっくりだねぇ』
(まあ、本物なんだけどね)
「チッ、何でお前にこんなこと話さなきゃならねぇんだよ」
『え?あはは、ごめんねー?まあ、ここ出てからもハ・・・えっと、クロと一緒にキミに会いに行くから』
「は?何でだよ」
『そうしたいからー』
「・・・意味わかんねぇ」
スイレンは伸びをしながら、よろしく!と言った。
『・・・大丈夫。心配しなくても、クロには術を掛けておくよ。キミが、妹さんと重ねてしまわないように』
「は?何の?」
『まあ、簡単に言えば見た目を変えておくってことだよ』
ははっと笑うと、サスケに怪訝な顔をされた。