第7章 帰ってきました。
風呂から出ると、サスケがソファーの上で寝転がっていた。
「あ、出たか。・・・お前、」
「バカじゃねぇの」と言ってこちらに近づいてくるサスケ。
「え?」
「お前、何でそんなに髪はびしょびしょなんだよ。ちゃんと拭け」
貸せ、と私の手からタオルをふんだくると私の髪を乱暴に拭き始めた。
「・・・ったく、また風邪引きてえのか」
「・・・ゴメンナサイ」
『雑ー』
「何か文句あるか、ネコ」
『僕はネコじゃない!』
「ネコじゃねえか」
『いや、そうだけど!今は、ね!』
ネコの姿のスイレンが騒いで「うるせえ」とサスケに言われていた。
すると、スイレンがサスケに問うた。
『―――ねえ、キミは何で僕たちに親切にしてくれるの?』
「は?」
「・・・・スイレン?」
『だって、ねえ。普通、見知らぬ人を家に泊めたりしないでしょ、ましてや子供が。まあ、強引だった僕のせいかもしれないけど、もうちょっと危機感持ったほうがいいんじゃない?』
もし、僕がキミを殺そうとしたらどうするの?
スイレンはいつの間にか人型になっており、目を細めてそう言った。
「ちょっ、スイレン・・・!!」
『あー、気を悪くしたならゴメンね。ただの忠告だって』
「――――俺は、」
「――俺は、別に女に殺されるほど弱くねぇし、お前らを泊めたのだってただの気まぐれだ。勘違いしてんじゃねぇよ」
そう言ってサスケはスイレンの目をじっと見返した。
『じゃあ、その気まぐれはどこからきたのかな?』
「別にお前に関係ないだろ。いちいち変なこと聞いてくんな。追い出すぞ」
「えっ」
『えっ!?』
最後の言葉を聞いた瞬間、スイレンはバッとサスケの肩を掴んだ。
『ごめん!だからまだ居させて!お金無いんだって!』
「・・・・」
「・・・・金?」