第7章 帰ってきました。
何なんだ、一体。
自分の部屋にやや強引に入り込んできた白い髪の女を思い出す。
〈ねえっ、お願い!〉
〈はっ!?〉
〈助けて・・・!こ、この子・・・〉
「・・・あんな風に言われて断れるヤツがいるかよ」
(・・・めんどくさい)
いつもなら無視して通りすぎるところだが、服を引っ張られ、泣きそうな顔をして必死に頼み込まれた。
「・・・・・・」
あの小さい女の子。
黒くて長い髪。
真っ黒な瞳。
(・・・ハル)
嫌でも妹を思い出す。
妹が生きていたらあんな風になっていたのだろうか。
だからなのかもしれない。
抱きつかれても振り払えなかったのは。
「はあー・・・」
あの小さいのと妹を重ねてしまうから、乱暴には出来ない。
しかも、風邪を引いている。
(めんどくさい)
俺は、こんなことしてる暇はないんだ。
復讐のために。