第7章 帰ってきました。
数分後。
私たちは、何とか軒下で雨宿りすることに成功していた。
「・・・結局、ビショビショになっちゃったね・・・」
『ま、仕方ないでしょ』
「うー・・・もう最悪・・・っくしゅん!」
『あれ、まさか風邪引いちゃった・・・?』
「そんなわけないじゃん・・・」
とはいっても、どこかハルの様子がおかしい。
手を握ってみると、驚くほど冷たかった。
次に頭に手をやってみる。
『うわ、熱っ・・・』
「はあー・・・そういうスイレンこそどうなの?」
『僕は病気なんてならないから大丈夫』
へえ・・・
そう返したつもりが立っているのもやっとの状態で、声が出なかった。
『・・・ちょっ、ハル?大丈夫?フラフラしてる・・・』
「・・・・・・」
スイレンの声が遠くに聞こえた気がしたけど、瞼の重さには勝てなかった。
「・・・起きたか?」
身体がダルくて、重い。頭が痛い。
「仕方ねえだろ、お前らびしょ濡れだったんだ」
そっか。ねえ、スイレンは・・・?
「あ?あの白い女か?アイツなら今風呂入ってるぞ。っつーか、お前ら図々し過ぎだろ」
ごめんねー・・・
「・・・ハア。病人を追い出すほど俺は酷くない」
・・・ねえ、・・・誰・・・?
「・・・ソレ今更な質問だな」
ぼやけていた視界がだんだんクリアになっていく。
身体中の骨が軋んでいる気がする。
身体中と頭が痛い。重い。
それでも、身体を持ち上げると。
「おい、無茶すんな。ガキのくせに」
「・・・っえ・・・・?」
「俺の名前はうちはサスケだ。ったく聞きたいことはそれだけか?なら寝てろ」