第7章 帰ってきました。
スイレンに開口一番にお礼を言った。
「・・・ありがと」
『どういたしまして』
少し、スイレンがはにかむように笑った。
『・・・さて、これからどうする?』
「・・・んー・・・あ、あのさ」
『ん?』
「・・・サスケ兄さんに会いたいんだけど・・・あ、一目見れるならそれで構わないの」
『じゃあ決まり!うちはサスケに会いに行こう!』
「・・・だから一目見るだけでいいんだって」
そんなことで、サスケを捜しに出たが。
「・・・ねえ、どこにいるか分かるの?」
『・・・え?全然分かんない』
「・・・・・・・」
よく考えてみれば、サスケの家の位置を知らない。
こんな感じの家だったかな・・・っていう曖昧なものしか覚えていない。
「・・・・・・・いない」
『そう簡単に見つからないかー・・・』
何回か見たことのある湖や、里の通りを一通り歩いてみたがやはり見つからない。
すると、何の嫌がらせか。
「・・・ん?」
『雨だー・・・』
ポツリ、ポツリとしていた雨。
それは大粒の雫に変わり、バケツをひっくり返したような雨が降ってきた。
「ちょっ・・・」
『あれー・・・こんなに降るの?』
「と、とりあえずどっか雨宿り・・・」
辺りを見渡すも建物が近くにない。
(・・・何でこう、ツイてないの・・・)
内心げっそりとしたが早くしないとスイレンが風邪を引いてしまう。
「スイレン、行くよ」
『あ、うん』
木ノ葉の里なら、スイレンよりも私の方が詳しいはず。
「・・・こっちかな・・・?」
見覚えのある道を見つけ、そこを一直線に走った。