第7章 帰ってきました。
『・・・はあー』
カミサマはたそがれていた。
『・・・暇ァ』
これが本音だが、ハルがまだ帰ってこないのでまだ待つ。
“キミの感情は鉄壁の理性で守られているね”
自分はハルにこう言った。
この意味をハルは分かっただろうか。
いや、おそらく分かっていない。
『・・・裏を返せば、感情に突き動かされることがない、つまり、感情的にならない』
ふと、自分に名前をくれた少女を思い出す。
睡蓮。スイレン。
自分のようだと言ってくれた。
柄にもなく照れ臭かったのを覚えている。
フッと笑みをこぼし、こちらへ歩いてくる少女の姿を見つけると、彼女の元に駆け寄った。