第2章 虎牢関にて
〔虚牢関にて〕
ドサ
私は思いっきり尻もちをついた。
「やはり女性には荷が重いと思うのですが」
そう言って何度も私に手を差し伸べる美青年、趙雲。
いやはや、こんな美青年と話せただけで蜀陣営に来た価値はあるというもの。しかも手まで握っちゃってむふふ。
「武器も握ったことのない女性を戦に出すなど、私にはどうにも納得できません」
私が立ち上がり、趙雲さんが槍を向け合ったところで趙雲さんはそう言った。
「いえ、そんな。
なんでも呂布は義妹の私を探して方々に使者を出しているという噂らしいですし、私が虎牢関に行けばそこで呂布を足止めできるかもしれません」
「…?…そんな作戦なのですか? 私の聞いたものとだいぶ違いますよ。
私は、…伊緒殿は天から降ってきた天女で、その神通力で呂布を魅了し骨抜きに」
「はぁぁぁ??? 誰ですそんなこと言ったの…ってあの人しかいませんよねぇ」
諸 葛 亮 しか。
「…あ、趙雲さん。お稽古ありがとうございました! また午後お願いしますね!」
そう言って私は足早に諸葛孔明のいる庵へ急いだ。