第4章 そして別れ
私は、これはまずい、と二人のけんかを仲裁することにした。
「ちょ、ちょっと!二人とももうやめて!みんな見てますよ!それにほら、虎牢関ガラ空きだし」
そういえばあそこだれもいないじゃん!
私は思い出して血の気が引いた。
連合軍側からすれば超ラッキーだけど、複雑。
「では、私が守りに戻ります!」
いつの間にか後ろから走ってきていた張遼が、再び走って戻って行った。
頼むから馬に乗ってくれ、張遼。なんか心が痛い。
「えっと、これを…『もとの世界に、かえしたまえー』」
私は、指輪を渡されると空に向かって叫んでみた。こんな感じじゃない?
しかし、何も起こらず。辺りに一瞬寒い空気が流れる。
「ちょっと…違います、ね」
「恥ずかしい奴だ」
ちょっ、追い打ちをかけないでよ!
私は肩をすくませて小声で言う。
「じゃあ、どうすればいいのよー」
しかし肝心の呂布は首を捻るばかり。
「確か、呂布様はこの指輪を壊そうと力一杯踏みつけたんでしたわ!」
「な、恥ずかしい奴はお前だよ!指輪に罪はなかろうに!」
「黙れ!指輪が悪い!!」
どういう理屈で…