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  • 桜の花弁が舞う中で ~期間限定・テニプリ~ (0)
    今、こうして手を繋いでいる俺たち。随分、我が儘聞いてもらったり、庇ってもらったり……あんまり、格好いい彼氏じゃなかったって自覚してる。



    彼女と初めて出会ったのは、桜の花ビラが舞う季節だった。あんなに綺麗な景色だったのに、どうしてか泣きそうな顔をしていたのを覚えている。


    2度目は教室……そう、同じクラスだった。柄にもなく運命なんか感じてた。強い口調なんて使わないのに、いっつも俺を負かしてた。



    何でなんだろう?……柳先輩に相談したら、先に惚れたものの負けと言うことだって言われた。だったら、今後も絶対勝てないのか?



    なんて、二の足踏んでたら掻っ攫われそうになって、慌ててコクったりして……益々、勝てそうにないじゃん。



    でも、あの時の返事……真っ赤になって、あぁ……コイツってこんな風な表情もするんだって発見があって……そしたら、もっともっと知りたくなって……。



    半ば、ゴリ押し?みたいに……そう、初めて言いくるめてしまった。いっぱい楽しいことを体験させてやるって言ったのに、させてもらってんのは俺の方。



    「赤也くん、綺麗だね。一緒に見られて良かった。」



    また一つ、彼女の新しい表情の発見。やっぱり……勝てそうにない。でも、勝てなくてもいいかって。


    真田副部長が勝てなくてもいいなんて思ってるって知られたら、どう思うかなぁ?また、ビンタ?説教?



    そんなことを考えていたら、仁王先輩がこっそり教えてくれたんだ。真田副部長だって、彼女に勝てたことがないし、今後も勝てそうにないって。



    って、折角のデートなんだし、今は楽しまないと!!ギュウッて小さい手をしっかり握り締めて、桜の花ビラが舞う中で彼女を腕の中に閉じ込めよう。



    大好きだって、言葉を添えて
    [投稿日] 2017-03-23 21:33:47[投稿者] 翡翠
  • 三日月 ~期間限定・テニプリ~ (0)
    部活帰りにふと見上げた空。すっかり暗くになった空は、不安を駆り立てるにはピッタリだ。



    しかし、そんな空に柔らかい明かりを灯す三日月。俺は、その三日月が彼女に似ていると思う。



    普段の彼女は典型的なTHE・女の子なのに、俺が暗闇に迷うときにいつも導いてくれる。



    優しく柔らかい笑顔を携えた彼女は、いつになく強く芯のある導き手となるんだ。



    そう…………今、俺の手を強く握り締めてくる。大丈夫……大丈夫……きっと明るい未来が待っているって。



    そんな風に思えるのは、そうあろうと……俺を無条件に信じぬいてくれる彼女がいてくれるから。



    明日の試合は、俺を強くさせてくれる彼女に……勝利と言う最高のプレゼントをしよう。


    弱音なんて吐いているのは性に合わない。



    さて…………



    戦闘開始だ



    小さなその手が白くなるくらい俺を思い握り締めたその思いに……迷う暇などないと、前を向いていられるパワーを込めて。



    常勝・立海大の名前に恥じぬように……



    そこで気付く。



    三日月のように穏やかなその瞳が、俺を見ていることに。そんな時は、きまって強き発言。



    って、きっと……心の中は、見透かされているかもしれないけど。


    有言実行だ。



    『明日の試合、俺だけを観てろ。俺の妙技……たっぷりと披露してやるから。』






    [投稿日] 2016-12-04 03:18:58[投稿者] 翡翠
  • 十五夜 ~期間限定・テニプリ~ (0)
    静かな、静かな十五夜の月夜



    初めて君と会ってから、何回、この穏やかな時間を一緒に過ごして来ただろう?



    秋風に揺れるコスモスのように、俺を優しい空間にいざなってくれる君。



    いつからだろうな…………俺にとってかけがえのない女性になったのは。



    そしてこの日、大切な君に俺の決心を聞いて貰おう。




    この先の未来も、君と共にこの穏やかな時間を一緒に過ごせるように……。




    『愛してる』




    の、言葉を添えて。



    きっと君は、目を丸くして……クシャリと表情を崩してから、とびきりの笑顔を見せてくれるだろう。



    俺が見つけたあの日から、俺の心は君に真っ直ぐに向かったまま。



    楽しいときも、悲しいときも




    ずっと、ずっと…………




    君と共に



    『精市さん、今日は何かありました?』



    心配そうな瞳が俺を見ていて、どうやら自分が緊張していたのだと気づく。



    『こんな時だからこそ、スマートにいたかったんだけど……聞いてくれるかな?今日は伝えたいことがあるんだ。』



    いつもの俺ではない態度に、君は柔らかい笑みを浮かべて頷いた。



    どんなことでも、受け止めてくれる……小さくて強い俺の大切な君。



    …………




    やっぱり、君は想像通りに目を丸くして……クシャリと表情を崩しては、とびきりの笑顔を見せてくれた。




    俺は一生涯、この日を忘れない。




    とびきりの笑顔と、とびきりの泣き顔の君のことを。



    愛してるよ……#NAME1#。



    [投稿日] 2016-09-07 20:13:50[投稿者] 翡翠
  • 恋人 ~期間限定・テニプリ~ (0)
    あ、まただ……。何故だ?


    フワフワの柔らかそうな長い髪の女を見かけると、つい……目が追い掛けてしまう。


    いつからだ?俺がこんなに軟弱で、女に注意を向けてしまうようになったのは。



    あ、こ、これも浮気?とかになるのか?



    ぜ、絶対に誰にも言えねぇ。先輩らにも、ましてや桃城や越前になんか知られたくない!



    それなのに……目が、つい……。



    不二
    『ヘェッ……海堂も僕と同じなんだ。』



    いきなり現れては、訳の分からないことを言ってきた不二先輩。相変わらず神出鬼没な人だ。



    海堂
    『何のことっすか?』



    不二
    『恋人に似た女の子を見かけると、つい目で追ってしまうんだよね。』



    え……不二先輩も俺と同じ浮気者なのか?



    不二
    『フフ……違うよ。僕も海堂も、誰でも言い訳じゃない。だって、大事な彼女に似てるからこそ意味があるんだ。』



    あれ?俺の心中、見透かされて?って、まぁいいか。恋愛マスターらしい?不二先輩だから。



    海堂
    『その……このことは秘密で。』



    不二
    『じゃぁ、二人の秘密ってことにしようか。さて、幻覚が見えない内に……。』



    海堂
    『ハァッ……俺、彼女んとこ行ってきます。』



    アイツは直ぐに見付かって、俺に気付いて……本当に、本当に嬉しそうな顔をした。



    それを見て、あぁ……そうか。俺自身も嬉しいんだって分かった。



    帰り道、少し先に不二先輩カップルがいて……仲睦まじそうに見えた。



    俺たちも、あんな風に…………繋いだ手に力を込めた。
    [投稿日] 2016-08-21 06:54:04[投稿者] 翡翠
  • ペテン師 ~期間限定・テニプリ~ (0)
    声を圧し殺し一人で泣き崩れる。あんな泣き方……していいハズなどない。



    俺が関われば関わるほど、アイツの立場は悪くなる。



    小さく儚いアイツの容姿が、さらに小さくなって泣いている樣は見ている方も苦しくなる。



    じゃが……すまん。




    気持ちを抑えられん。



    どうしようもないくらい……お前が泣いているのを知っても、俺がお前を想う気持ちは止められん。



    自分の心をペテンに掛けられんかった。



    ペテン師の名が泣くのう。



    自分の気持ちが分かった今、俺が進むべき道は1つだけ。



    俺がお前を守ればいい。どんな手段を使ってでも、俺が守る。



    約束するぜよ。



    だから……笑ってくれ。



    お前さんは、ただ、俺の隣で笑ってくれるだけでいい。



    さて、戦闘開始ぜよ。







    [投稿日] 2016-07-19 22:09:13[投稿者] 翡翠
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