第8章 それぞれのかたち
もうちょっと触ってたいなぁ
彩は頬に触れていた手をそっと右目を隠す前髪をそっと耳にかけようとした。
--------------------バシ
へっ?!
起きているかのように静は彩の手をにぎった。
「・・・ん・・・すぅ。」
静は起きておらず、握った手を両手で包み
また眠ってしまった。
「すごい・・・あ、離してくれないかなぁ;;
ど、どうしよう」
彩ははなさない手をどうするか困ってしまい
悩んでいた。
ポタ・・・ポタ
あれ?冷たい
すると、彩の手に雫がかかる
気づくと静の目から涙がすっとながれでていた。
そのとき改めて静に起きてた
出来事を思い出した。
私は今日、静君があってたこと
傷ついて苦しいこと側にいたから気付いてあげれたけど
きっと前からやられてたんだよね。
入学したばかりなのに・・・
誰にも相談できなくって、一人で抱えて
辛かったよね・・・
「・・・辛かったね。」
彩は静の思いを感じ、一緒に涙を流した。
彩は静が安心できるならまだ一緒にいようと思い
そのまま椅子に座り静の横に寄り添い眠ってしまった。