第2章 え。誰この子。(ギャグ)
「おじぃちゃん、私、プールはいらないよ。」
急に悲しげになった少女の声に元柳斎は心を痛める。
「では、何が欲しいんじゃ?」
そんなのはわかりきっていることだった。
「私、地上に出てみたいよ。」
だが、元柳斎の返事も決まっていた。
「うーん、もう、いいじゃろう。」
その答えはNoで・・・て、え?え、え?
ダメなんじゃないの!?
何千年も地下に閉じ込めておいて!!
えー!!
作者が仰天しているなか陽気にわーいと喜ぶ少女。
その元柳斎の ちょっとだけなら がこれから起きる災いの元となってしまうことをこの時の二人は思ってもみなかったのであった。
そして、地上にでた少女は元柳斎と約束をする。
「そこの塀の外に出てはいかんよ。」
「はーい!」
その塀とは元柳斎の自宅の屋敷のことだったのだが、少女は一番隊隊舎の塀と勘違いをしていた。
話がかみ合わないうちに元柳斎には来客が来てしまい、少女は屋敷の中に放置された。
もちろん、少女は静かに元柳斎の帰りを待つことはなく、初めて見るものばかりの世界に興味津々で、その塀の中の探検を始めたのだった。
一方、元柳斎は来客と報告を受けたり、雑談をしたりしていた。
その来客がさきほど紹介した京楽と浮竹だった。
それからどうなったのかはもう想像ができるであろう。
事件とはつまり、そういうことなのだ。