第5章 Indian's prince
ソ「まずいッ!!」
セ「お気に召しませんでしたか?」
ソ「あ゛っいっいやいつもインドで食べてるカリーと違いすぎただけでその、これはこれで…」
『怒ってませんから、そのまま続きを』
ソ「ほっ、まず味が薄いし香りが全然ない。粉っぽくて口あたりが悪いしこんなのカリーじゃない」
セ「おかしいですね。最高級のカリー粉を使用したのですが…」
ソ「?カリー粉?なんだそれは」
『カリー粉とは素人には調合が難しかったため、あらかじめスパイスを挽いて調合し、それを一つにまとめ販売されている物のことですよ』
ソ「そんなのインドで見たことないしアグニも使ってなかったぞ。スパイスは色や辛さを決めるものでもあるが大切なのは風味だ。挽きたてでないと香りが飛んでしまう。俺の城にはスパイスを挽くためだけのマサルチがいるぞ」
セ「カリー粉の様にあらかじめスパイスを挽いてから売っている物を使うなど論外という事ですね」
ソ「ああ、それにアグニのカリーは具によってスープの味も色も違ってた。具に合わせて調合していたんだと思う」
セ「ではまず、新鮮で上質なスパイスを集めなければいけない様ですね」
シ「そうなると、ウエストは有利だな。自分の会社で流通を取り仕切ってるんだから上質な品は確保してしまえる」
『時間がありませんね。すぐにどこかの貿易商をあたってみない…と…』
貿易商という言葉で私達の視線は全て劉様に注がれた