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Swear to you...

第7章 Secret Circus


いつも通りの時間に起きて準備する。


気を入れ直さなくては…。


鏡の前で下ろされた髪を後ろに結わえ、頬を両手で叩いた。
「全ては、坊っちゃんのために」
そう、全ては坊っちゃんのため。
それが私の魂まで売って叶えたい、私の願い。


そう、思っていたのに。



厨房に向かい朝食の準備をしていたアグニさんの背中に挨拶をする。
「おはようございます」

「あ、お、おはようございます。ネイラ殿…」

ぎこちない挨拶…。

「手伝います」

隣に立ってもまったく視線を会わせようとしない。
まあ、昨日の今日ですしね。仕方ありませんか…。

調理中、まったくと言っていいほど会話がない。これはアグニさんと共にいるなかで初めてのこと。
居心地が悪い、そんな言葉がとてもしっくりくるそんな空間だった。


その後も、窓を拭こうと準備しても…。
「ネイラ殿…!それは私がいたします…!」

灰掻きをしようとしても…。
「私がします…!」

雪かきをしようとしても…。
「私が…!」


ことごとく仕事を奪われる。
私の決意を返してほしいぐらいに。



「どうしたのだ、ネイラ。次はお前だぞ」

かけられた声に我に返れば目の前にはチェス盤と訝しげな顔をしたソーマ様。
何故彼とは違い、彼の主人は今までと変わらず私と接して下さるのか…。
この方のおおらかな性格故だからなのだろうけど。

「申し訳ありません。ソーマ様。……チェックメイトでございます」

呆けていたことに対して謝罪を述べ、白が大半を占めた盤の上で私は黒のキングの行路を絶った。
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