第2章 こんにちは非日常。さよならしたいです
ここはどこだろうか。
次に目を覚ましたのは薄暗くてひやっとする空間だった。
「…わっ、な、なにこれ」
目の前には木製の柵があった。木製だから蹴っ飛ばせば壊れるのでは、と試したがビクともしなかった。
にしても気味の悪い空間だ。いつ幽霊が出てきてもおかしくはない。
……っ
「…ま、まじか……」
まさかそんなー、とフラグを立ててしまったのが間違いだったのだろう。
向こうのほうから女性がすすり泣く声が聞こえてきた。悲しんでいるような苦しんでいるような。決して声を張り上げて泣くのではなく、ただただ静かに嗚咽を漏らしているだけの泣き声。
…や……うっ…
ち………して……
泣き声だけでなく、ヒソヒソと話す声も聞こえてきた。どうやらだけが囚われているわけではないらしい。
耳を澄ましてみれば、何人もの女性がいることが分かった。すすり泣くものや冷静に話をしているもの。元気づけようとしている者までいるらしい。
「…あ、あのー…」
どうにか会話に入れてほしくて少し声をかけてみるとその空気がピタッと凍り、会話もやんでしまった。
「閉じ込められて、どうすれば…」
「……あなた、どこにいるの?周りにはどんなものがあるの?」
凛とした声が響き、は周りの状況を把握しようと見渡してみた。
床には冷たさか座り心地の悪さを少しでも取り除こうとしているのか何かが敷いてあり、後ろを振り返って見上げれば少々高い位置ではあるが光が入ってくる小窓のようなものがある。
そのままの状態をその女性に伝えると周囲の女性からまぁ…という声が漏れたのを聞き取れた。
どうやらはすごい状況にいるらしい。