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オンナナレさせてみせますから

第7章 新生活も慣れれば日常


「私はさんの魅力に惹かれております!」

椿はの腕に自分の腕をからませた。突然の事にびくっとして椿の横顔を見るも、真剣そのもので口出しできるような状態ではなかった。

「この優しいお顔立ち!豊満な胸部!白い雪のような肌!そして何より己より他人を大切にする広く清らかな心!気が付かれませんか!?」

「え、ちょっ椿ちゃん、あの、私そんな胸ないよ」

「破廉恥であるぞ椿!俺に何を気付けというのだ!」

の突っ込みも華麗にスルーされ、2人の言い合いはエスカレートしていく。佐助もお手上げなのかもうすでに虚空の方に意識を飛ばして目の前の現実を見ないようにしているらしい。

「こんなにも素晴らしきお方を御傍に置かないなんて見る目がないということでございます!ただのおなごが苦手というわけではありませんね!!」

ずばっと言った椿はいきましょうとそのままを自室に連れて行ってしまった。
取り残された幸村は顔を真っ赤にしながらその場にうずくまり、佐助はようやく意識を戻したのかため息をついて幸村を励ましていた。

「旦那、おなごって難しいものだからさ」

「俺にはわからぬ、わからぬぞおおおおおおおおおお!!!」


自室にもどった2人は向かい合って座っていた。まだ苛立ちがとれないのか椿はむっとした表情だ。どうにもできないのでもぼーっとして意識を飛ばそうとしている。
すると行き成り椿はの両手をぎゅッと握りしめた。

「この椿、もう我慢なりませぬ」

「どうしたの椿ちゃん、ちょっと落ち着こう」

「いえもう無理です。椿はずっと我慢してきました。」

ふるふると横に振り、の目をじっと見つめた。

「え?何、どうしたの…」

「お慕いしてます、さん」

「は?」

「お慕いしておりますのでどうかどの殿方にも嫁がないでくださいまし」

はついに幻でも見たのかと本当に意識を飛ばしてしまった。


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