第1章 日常⇒非日常
約1年前の6月上旬頃、まだ入学したての彼女らは学校やクラスに慣れようと努力していた時期のことだ。
と薫は同じクラスでアニメが好きだという共通点から意気投合し仲良くなった。
2人とも少女漫画ではなく少年漫画系が好みのようでよく戦闘系アニメなどについて熱く語っていたのだ。
「薫ー、なんかオススメなのない?」
「え、そうだなぁ…ってだいたい知ってるじゃん」
「なんでもいいから!ねーなんでもいいの!」
そうジタジタしているを横目で見ながら薫は自分のスマホを取り出してギャラリー(画像保存フォルダ)をあさってアニメを探している。
「あ、これとか見たことある?」
「なにこれ、…戦国アニメ?」
薫がに見せたのは戦国BASARAというアニメの画像だった。
「うわ、この青い人ナルシっぽいね」
「そんなこと…い、いや、完全否定はできないかも」
「イケメンって多少はナルシはいってなきゃやっていけないよねー」
「関係ないでしょ」
軽い人物紹介をしてにどう?と聞いてみれば興味を持った様子で頷いていた。どうやらぴんときたらしい。
「この赤い人いいね!真田さん?」
「えっ、なんか意外…落ち着いてる人が好きなのかと思ってた」
「初心とか可愛くない?ってかこの…オヤカタサマの為に頑張る姿とかこっちまで燃えるよ!」
が気に入ったのは赤い鉢巻をしていかにも熱い男ですみたいな雰囲気を醸し出している真田幸村だった。
ここからの運命は狂ったようだ。