第18章 気持ちに嘘はつけません
「……え、えーっと…?」
「……」
何も言わないそれは一体何があったのかと心配するほどピクリとも動かずにいた。
「…幸村、さん」
幸村と同じ高さまでしゃがみ、ちょんっと肩をつついてみると、どこかのジ●リ映画のま●くろくろすけのようなぞわぞわぁっと体全体を震わせて立ち上がった。
直立不動とはこういう事なのだろうか。
「こ、こんちは」
そう言ってみるも全く動く様子はなく、はよっこいしょ、と立ち上がって幸村の目の前に立って何処を見ているかわからない視線をさえぎるように手を振った。
「幸村さん死んでる…?!」
「死ぬわけなかろうッ!!」
カッと目を見開いてその振っていた腕を掴んだ。
「ですよね!!!」
は突然の事に叫んだ。
それを聞いてやっと意識を取り戻したのか幸村もすまぬと叫んで肩で息をし始めた。
「…よく、戻ってきてくれた」
「ごめんなさい、…戻ってきて」
「いや、某はずっとまっておった」
先程まで何故あんなに真っ赤だったのかわからないほど真剣に、そう思いを伝えてくるので今度はの顔が茹蛸の様に赤く染まり始めた。
「じゃ、じゃあ、お待たせしました…?」
「…待ちくたびれた」