• テキストサイズ

オンナナレさせてみせますから

第2章 こんにちは非日常。さよならしたいです


格子に火が付き、しばらくすればボロボロと落ちていった。見計らってペットボトルに入っている水をぶちまけて鎮火する。
荷物を抱えてから軽く体当たりすれば計画通り格子は崩れ、脱出することができた。あとは取り残されている女性たちと一緒に出るだけと周りを見渡してみれば由良としかいなかった。

「皆もう逃げています、さぁ、あとは私たちだけ」

そう言って由良はの腕を掴み外へと走り出した。適切な判断力と迅速な行動力はにはほとんど無い為、由良のことは心から尊敬していた。



「私はこれから村のほうに戻るけどあなたはどうするの?」

そういえばには帰る場所がないのだ。とりあえずあの薄暗くて気味の悪い場所から逃げ出せればいいと思っていたので、これからの計画など皆無だったのだ。
恐らく先に逃げた女性達には居場所もあったろうし、帰る場所はあった。だがは異世界からきた異質だ。当然簡単に受け入れてはくれないだろうしこれから野宿するほかないだろう。

「…こ、この辺りを探索してから」

「何を言っているの?ここらは戦場と化しているの、女一人で歩いてはまたつかまってしまうし、運が悪ければ殺されてしまうのよ?早く帰りなさい」

そう言われてしまえばなんとも言い返せなくなってしまい、ここにとどまる理由すら考えられないほどパニックになってしまった。
それを見かねてか由良は深くため息をついた。そしての頭を優しくなでて呆れたような笑顔を見せた。

「どうしてもこの辺りにいなければならない理由でもあるのね?仕方ない子。」

まるで姉のようだと涙がにじんだが照れ臭そうにはにかんではごまかした。

「それならここ一帯の地形を教えてあげる」

そう言って草むらのほうに2人で隠れて座り込んだ。折れた木の枝で地面に大雑把な日本地図を描いた。それにはまだ北海道など孫座するわけがなく、また新たに時代の差を感じたのだった。

/ 185ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp