第9章 ヤキモチ2
「団長!お疲れ様です!」
エルヴィンが廊下に出ると同時に、
ジャンと鉢合わせた。
ジャンは突然目の前に出てきたエルヴィンに
驚きつつも、敬礼をした。
「あぁ、ジャン。
いいところにいてくれた。
今忙しいかい?」
エルヴィンは手で敬礼を
下ろしていいと合図し、
ジャンに尋ねた。
「いえ、大丈夫ですが。」
「モブリットに私の部屋に来るよう
伝えてもらえないか。
急用だ。一時を争う。」
ジャンの背筋が
更にピンと伸びた。
「すぐに呼んできます!」
「あぁ頼む。」
そういって、
ジャンはエルヴィンに一礼し、
走ってモブリットの部屋へ向かった。