第2章 家族の温もり
「キリト!」
赤髪の男は黒い剣士にそう言った
黒い剣士の名前はキリトと言うらしい
キリトは赤髪の男に何か丸いクリスタルを投げ
「それが蘇生アイテムだ…」
と言った
あれが蘇生アイテム…
俺が死んでも手に入れなきゃいけないアイテム…
は斧の持ち手を強く握った
赤髪の男は手渡された蘇生アイテムの効果を読んだ
「え〜なになに…対象のプレイヤーが………」
「10秒以内!?」
赤髪の男は驚いていた…驚いたのは俺も同じだった
「次にお前の前で死んだ奴に使ってやってくれ…」
とキリトは言った
これで決まってしまった…葵は蘇生不可能…
はそのまま見つからないよう家に帰った
死にたいと何度も思った
でも妹の…葵の願いが生きてというのだったら生きなくてはならない
妹の分も…そして現実に戻って母さんや父さんに会いにいく…
家に帰ると家の中が更に広く感じた
たかがゲーム…家の中で温度調節は自由だった
家の中は暖かいはずだった
「寒いな…」
何故か寒かった…温めてくれる人はもういない
は心の中で底知れぬ寒さに襲われた