第2章 6月1日 神威(銀魂)生誕記念
「神威!起きて!」
「うーん……」
眠そうに目を擦りながら、神威は布団の中でゴロゴロしている。
それも可愛いけど…ダメ!今日は特別なんだから!
…………………………
私がこの春雨の舟に来て半年。
“人質”として囚われたはずが、私は第七師団の世話役としての日々を過ごしていた。
そんな私の一番の仕事は、団長・神威の身の回りの全てのお世話…と言うのは表向きで、実際は気まぐれな神威が勝手な事をしないように見張ってるってわけ。
「…朝ごはん…」
「はーい。もうちょっと待って!」
「……じゃあ、いつもよりご飯多めね。」
「え……いつもよりって…」
神威の食欲は半端ない!
これも夜兎の習性だと本人は言うけれど、阿伏兎さんと比べても兎に角すごい量のご飯を食べる。
「はい、お待たせ♪」
「えーあんまりいつもと変わらないよ。」
「そんなことないよ!それに、あんまり食べると太るよ!」
「大丈夫だよ。その分沢山人を殺せばいいだけだから(ニコッ)」
「へ、へぇー…」
神威は、いつもニコニコしてるけど、こうやって恐ろしい言葉を笑顔でサラリと言い放つ。
最初の頃は、それがとてつもなく恐ろしく感じたのだけど、今では普通になっていた。
実際、私の目の前で神威が人を殺した所は見たことがない。
「ごちそうさま。」
「お粗末様でした。食器片付けて来るから、着替えといてね。」
「わかってるよ。は俺の母親みたいだよね。」
「神威の、お母さんの気持ちが少しわかった気がするわ。」
「そうかな?」
「そうよ!だって一食でこんなに平らげちゃうんだもん。ご飯の支度だけで一苦労よ。」
「そう…かもね…」
一瞬、神威の表情が曇ったように見えたけど…。
家族と何かあったのかな?
そう言えば、神威が家族の話をしているのって聞いたことがないな。