第20章 嘘吐き常習犯
旭side
”バシッ”
「くっ…!!」
(また止められた… もう何本目だ……)
何度トスを呼んでもブロックに捕まり、サーブでも狙われて…
エースの俺が皆の足を引っ張ってる……
だから_
『2セット目俺と代わってくんね?』
湊斗にそう言われた時は正直ホッとした_
実際、始まってすぐ湊斗が相手からブロックアウトを取ったし、俺じゃ決めれなかったスパイクも湊斗がすると決まった
「やっぱり、湊斗は凄いな…」
それから、試合が進むにつれてさっきまで暗かったチームの雰囲気も次第に明るくなっていく
(きっと身体の事が無かったら、エースは俺じゃなくて湊斗だっただろうな…)
「俺は…エースに向いてないな……」
と、こんな時でも俺はネガティブなことを考える…
_そして
・
・
・
”ピーッ”
タイムアウトが終わりみんなコートに戻って行く中
『ッ…ゴホ、ゴホッゴホッ………ッ!!』
横から激しい咳が聞こえ、振り向こうとする前に”バタッ”っと倒れた音がした
「み、湊斗!!」
俺と、コートに戻っていた大地たちが一斉に駆け寄る
「お、おい!!…湊斗!!」
倒れた湊斗を抱き起すと右の手の平には血がついていた
「血!!……ど、どうしよう……」
大「湊斗!やっぱりお前…朝からずっと無理してたろ」
『……っ、ご……め、ん………』
湊斗は薄っすらと目を開け苦笑した
孝「…何でこんなになるまで言わなかったんだよ!!」
『心配…………掛けたく、無かっt ゴホッ…ゴホッゴホッ……』
湊斗はまた激しく咳き込み、血を吐き出す
烏「「!?」」
『あ、さひ……ごめ、な………後は頼むべ………エーs……』
そこで意識を無くした湊斗は担架で運ばれて病院に向かった_