第41章 伝えたかった思い。
予想外のその表情に思わず戸惑ってしまう。
きっと赤司くんは二重人格で、
本当の彼は心の中に居て、
今いるのは別の人格。
二人目の赤司くん。
そう思っていたのに
何故だろう。
その悲しそうな顔を見ると
心がズキズキと痛むようだった。
赤司「…いいだろう。君が賭けに勝つ事が出来れば…僕は君のいう事を何だって聞いてあげるよ。」
るり「…。」
赤司「でも、僕が負けることなんてありえない。今のうち覚悟をしておけ。…るり。」
少し強い冬の風が一気に二人の間を吹きぬけた。
枯葉が一気に舞い上がり
ザラザラと音を立てる。
思わず寒くて身を縮める。
ふっと赤司くんの方を見ると
彼は寂しげな目で私をじっと見つめて居た。
彼の口がゆっくりと動く。