第41章 伝えたかった思い。
赤司「やぁ。待っていたよ。るり」
赤司くんはゆっくりと私の方へと歩み寄ってきた。
肌寒い風に優しく赤い髪が揺れる。
私の目の前に立つと、
赤司くんは優しく私の髪を撫でた。
赤司「この時をずっと待っていた。」
るり「…。」
赤司「君が僕のものになる時を…」
そう言って笑う赤司くんの顔は
あの時のように優しく暖かくなくて…
冷たく、恐ろしいものだった。
るり「…私は…」
少し震える手を押さえて、
大きく深呼吸をした。
赤司「…?」
るり「私は…ものなんかじゃない。…私は…私は神谷るりっていう一人の人間だから!」
赤司「…。」
赤司くんは眉をじっと寄せ、
何か考え込んでいる様子だった。
赤司「…うん、ものってのは例えであって君が人間って事ぐらいわかってるよ。」
るり「っへ!?あ、いや、うん、ご、ごめん///」
思わず出鼻をくじかれた…というか、
まさかこの雰囲気で赤司くんに真面目につっこまれると思わずクサイセリフを言った恥ずかしさから赤面した。
赤司くんはクスクスと小さく笑った。
るり「へ!?///」
赤司「悪い。わかっているよ。わざと意地悪で言ってみたんだ。想像以上に反応が可愛くて思わず笑ってしまった。」
そういうと赤司くんは私をぎゅっと抱きしめた。