第41章 伝えたかった思い。
久々に歩く中学時代の通学路は
なんだかすごく懐かしかった。
思い出が走馬灯のように蘇る。
あの頃に戻りたい。
そう思うのは懐かしさからか
それとも後悔からか。
でも、それは不可能なことだった。
久々に立つ帝光中の校門の前は
懐かしいものだった。
初めてこの門を通った時は不安でいっぱいで
どうしようもないぐらいすごく憂鬱だった。
私はその懐かしい門をくぐりぬける。
時計は12時前を指していた。
でも、そのグラウンドには既に人影があった。
その後姿は
懐かしい姿よりもずっと
大きく成長しているようで
時が経った事を物語っているようだった。
るり「赤司くん。」
その声に振り返った彼は
私の大好きだったあの時の彼ではなかった。