第14章 流しに来ました
「・・まずその服もそうですけど」
青が多すぎて引いてます、ソファに腰掛け隣をじとっと睨むと、コスチュームを模したその服を彼女が両腕で隠した
「だって・・!突然来るなんて・・っ」
「・・・相手が塚内さんでよかった」
青と言うかデニムと言うか、カーテンやベッド、ソファに至るまで驚くほどの統一感、棚に置かれたマスコットたちがこれまた青い瞳で俺を見ている
「こんな居心地の悪い部屋初めてです」
「じゃあ帰ってください・・!」
「全部俺のグッズに変えますからね」
「えっ、絶対だめ・・!」
「だめじゃない、絶対変える」
買ってきた喉ごしの良いスイーツをぱくぱくと彼女が頬張る、食欲は兎も角として、あまり眠れていないように見えるその顔に心が痛い
「食べたら寝て下さい、添い寝しますから」
「ホークスが帰ってから寝るよ、」
「俺体温高いんで、きっとよく眠れますよ」
あとホークスじゃなくて啓悟ね、果物のジュースを口元に近付けると、一瞬躊躇った赤い唇がストローをしぶしぶ咥えた
「ほら、おいで」
「だ、いじょうぶ、だから・・」
「寝て起きたら、紅茶淹れて下さい」
めぐさんの紅茶飲んだら帰りますから、ね、今はちゃんと寝ましょう、青いシーツの上、ぽんぽんと隣を叩くと彼女が戸惑いに視線を彷徨わせる
「病人相手に変な事しませんよ、横になるだけ」
「ひとりで寝られるから、」
「寝心地悪かったら諦めます」
その一言にゆっくりと彼女がベッドへ横たわる、すかさず腕を回し抱き寄せるとその身体が緊張で硬直した
「あったかいでしょ」
「・・・」
「こうしてるだけですから、目を閉じて」
「・・・本当に、あったかいね」
抱き寄せてたった数十秒、うつらうつらし始めたその目に愛しさと心配が募る、どんだけ寝てないんですか、優しく髪を撫でると彼女があっという間に静かな寝息を立て始めた
あどけない寝顔に釣られて出た小さな欠伸、俺もまともに眠れていなかった事を思い出し苦笑が漏れる
「・・これがイレイザーでも塚内さんでも」
貴女は受け入れたんでしょうね、
柔らかな髪にそっと唇を寄せると彼女が小さく寝返りを打って、体温を求めるように擦り寄った華奢な身体、寒そうに曲げられた脚をあたためるように俺は自身の脚を絡めた