第3章 バックハグからの首にキス
テレビの音だけが、静かな部屋に流れていた。
ソファに並んで座って、他愛のない番組を眺めている。
いつもと変わらない夜。
……のはずだった。
「……脹相?」
背後から伸びてきた腕が、そっと腰を抱く。
「どうしたの?」
「いや……」
短い返事。
けれど、腕は離れなかった。
むしろ、後ろから身体を包み込むように引き寄せられる。
「急にどうしたの?」
「少し、このままでいたい」
耳元で聞こえた声が、いつもより低かった。
その声音に何かを感じながらも、素直に身体を預ける。
「……あったかい」
「そうか」
脹相の顎が肩に乗る。
頬が髪に触れる距離。
しばらくすると、首筋に彼の吐息がかかった。
「……」
ぞくりとする。
「脹相?」
「……悪い」
「何が?」
返事がない。
代わりに、腰に回された腕が少し強くなる。
まるで何かを堪えるように。