第9章 友達に恋愛のお守りもらった
脹相と付き合うことになったんだ」
そう友達に報告した日のことだった。
「えっ、やっと!?」
友達は目を輝かせると、何やら小さな袋を取り出した。
「はい。これ、お守り」
「お守り?」
「そう。大事に持っておきなよ」
何の疑いもなく受け取る。
「ありがとう」
「……うん」
友達はなぜか妙に意味ありげな顔をしていたけれど、私は深く考えなかった。
そのまま家に帰り、いつものように脹相のいるリビングへ向かう。
「ただいま」
「おかえり」
脹相が顔を上げる。
「今日は友達に報告してきたの」
「何を?」
「脹相と付き合うことになったって」
「……そうか」
脹相の表情が、少しだけ嬉しそうになる。
「何か言っていたか?」
「うん。おめでとうって」
「そうか」
それから私は、友達からもらった袋をテーブルの上に置いた。
「あと、これももらった」
「……?」
脹相が見る。
そして。
「…………」
固まった。
「どうしたの?」
「……それを、誰から?」
「友達」
「何だと思っている?」
「お守りだって」
「……」
脹相は額に手を当てた。
「……なるほど」
「?」
私は袋を手に取る。
「なんのお守りなんだろうね」
「……」
脹相の顔が引きつる。
「お前は……中身を見ていないのか?」
「まだ」
「……そうか」
明らかに様子がおかしい。
「脹相?」
「いや」
脹相はしばらく考え込んでいる。
「……これは、その」
「うん?」
「大切にしまっておくようなものではない」
「そうなの?」
「ああ」
「じゃあ何?」
「……」
脹相が黙る。
説明しようとしては口を閉じる。
また説明しようとして、頭を抱える。