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呪術廻戦〜脹相〜

第25章 脹相〜転ぶのを助けてもらうと〜


夕方。

 私はキッチンからリビングへ戻ろうとしていた。

 片手には飲み物。

 もう片方にはスマホ。

 いつものように何も考えず歩いていた、そのときだった。

「……あ」

 足先が、床に置いてあったクッションへ引っかかった。

「わっ……!」

 身体がぐらりと傾く。

 まずい。

 そう思った瞬間だった。

「危ない!」

 後ろから脹相の声がする。

 次の瞬間。

 ぐっと腰を掴まれた。

「……!」

 倒れるはずだった身体が、強く引き戻される。

 私は脹相の胸元へ少しだけ身体を預ける形になった。

「大丈夫か?」

「う、うん……」

「怪我は?」

「ないよ」

「本当に?」

「あ、うん」

 脹相は私の顔を覗き込む。

 怪我がないことを確認して。

「……よかった」

 そう呟いた。

 けれど。

 脹相の表情が、ほんの少し固まっている。
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