第4章 責務
「いっっやぁぁぁ」
〇〇〇は行為中『いや』と言う言葉をあまり使わない。本当は「イヤ」じゃないのにいろんな感情を伝えるための、煽るための都合のいいスパイスみたいなモノだという
今、『いっっやぁぁぁ』と言ったのは心からそう感じて出た言葉だろう。それでも……
無遠慮に根本まで押し込み、受け入れる余地がない内側にさらに押し込む
「いやいや、もう…いやぁぁぁ」
自分の中にある冷酷さをさらに煽る
一切配慮せず無言のまま、ただただ欲に任せてキツく腰を掴み打ち込み続ける。包まれる温もりとぬめりに束の間、自分に戻る。大切だと思っているのに、手放したくないと思っているのに…
満たされない何か欠けたものを埋めたい…
この行為は埋めるどころか失う行為だと分かっていても埋めるため、繋ぎ止めるためにしなければと思ってしまう。
-------所有者は誰か
ずん、ずん、ぐちっ、ぐちゅ、ぐちゃ……
「いゃっっ、ぃった…ぃ…」
ぐちゅ、ぐちゃ、ぐちゃ……
「……さ………」
「……と……」
「……る……」
「はっっっくっっ……」
ぐちっ、ぐちゅ、ぐちゃ……
ずん、ぐちっ、ぐちゅ、ぐちゃ……
ずん、ずん、ぐちっ、ぐちゅ、ぐちゃ……
〇〇〇 は声をあげなくなった
力が完全に抜けただの人形のようだ
体格差があるから〇〇〇の脚はもう床に着いていない。ベッドの上に両腕を伸ばして投げ出し、上半身は下半身から与えられる振動で力なくゆすられるだけとなっていた。
ずん、ずん、ぐちっ、ぐちゅ、ぐちゃっっ
動きが止まる
集まっていた熱が急激に冷めて〇〇〇の中で萎んでいく
熱が冷めると同時に頭も心も灰のように真っ白になる
呼吸は荒いが苦しくはない
〇〇〇に視線を落とすと酸素を求めて肩と背中が激しく上下する。全身からドッドッドッドッという脈動が伝わってくる