第2章 【魔狭人】悪魔として、恋人として
寒い日の放課後。僕は悪魔の翼をはばたかせながら、三界高校1年3組の窓をこっそり覗いていた。僕の恋人、あすかが1人残って勉強していた。
「おい、魔狭人。」
ぎょっとして振り返ると、死神の鎌を持って宙に浮いているりんね君がいた。
「な、なんだい?りんねくん。部屋にかんしゃく玉をしかけたのは昨日だっだが……。」
「あれはお前か。」
鎌で一発どつかれた。
「そんなことより……あすかのことだ。お前ら付き合ってるんだろ?」
「なっ……!なぜそれを!?」
「俺の周りの”視える"やつは全員知っている。お前は最近隣のクラスばかり覗いていて、あすかを見つけては、とろけるような笑顔になる。」
りんね君はいつも通りの真顔で言った。僕は耳まで真っ赤になって固まっていた。
だが、ふと冷静になって、りんね君を睨んだ。
「別れろ……ってことかい?」
「いや、そこまでは言わん。あいつがお前に告白する前から忠告はしてきた。相応の覚悟は持っているようだ。」
りんね君は窓の向こうでぶ厚い本を読んでいるあすかをぼんやりながめながら尋ねた。
「お前、あいつの将来の夢、知ってるか?」
「……知らない。」
りんね君は少し間を空け、僕をまっすぐ見ながら言った。