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緋色の誓い

第7章 新たな道標



意味を理解した途端、思わず吹き出した。

「つまり、まずかったのね」

「そういうことだ」

二人は顔を見合わせ、小さく笑う。

ほんの少しだけ緊張がほぐれた。

その時、玄関の方から慌ただしい足音が響いてきた。

「連れてきた!」

弥彦の元気な声が聞こえる。

その後ろには医療鞄を提げた恵の姿があった。

「剣さんが風邪なんて珍しいわね」

そう言いながらも足は止まらない。

そのまま真っすぐ剣心の部屋へ向かう。

薫と斗亜も後ろへ続いた。

襖を開ける。

剣心は目を閉じたままだったが、気配だけで誰が来たのか分かったらしい。

ゆっくりと顔を向ける。

「恵殿…」

「そのままでいいわ」

恵はすぐに診察を始めた。

手首へ指を添えて脈を測る。

喉の赤みを確認する。

胸へ聴診器を当て、呼吸音を聞く。

最後に額へ手を添え、熱を確かめる。

一連の動作は無駄がなく、迷いもない。

診察を終えた恵は静かに頷いた。

「ただの風邪ね」

その一言で部屋の空気がふっと緩む。

薫は胸を撫で下ろし、弥彦も安心したように息を吐いた。

恵は薬包を取り出しながら続ける。

「でも少し体力が落ちてるわね。最近、無理をしていたんじゃないですか?」

剣心は苦笑しながら小さく頷く。

「少々…」

「薬を出しておくから、きちんと飲んで、しっかり休むこと」

「かたじけないでござる」

恵は頷くと、今度は斗亜へ視線を向けた。

「斗亜さん」

薬を手渡しながら穏やかに言う。

「次の分まで時間を書いてあるから、その通りに飲ませてあげて」

そう言って布団を肩まで丁寧に掛け直し、剣心が少しでも楽に眠れるよう整えた。

「汗をかいたら着替えさせてあげて。それから、水分もしっかり摂らせること。もし咳がひどくなったり、熱がもっと上がるようなら、すぐに呼びに来て」

恵は一つひとつ確認するように言い聞かせる。

斗亜は真剣な表情で頷いた。

「分かった」

短い返事だったが、その声には迷いがなかった。

恵は最後に剣心へ視線を向ける。

「剣さん、今日は何も考えずに休んでください。斗亜さんたちに全部任せること。いいですね?」

剣心はゆっくりと目を開ける。
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